不動産売却で課税される税金と3,000万円特別控除について 不動産売却コラム | 藤沢・茅ヶ崎・鎌倉の不動産売却・買取ならセンチュリー21富士ハウジング

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不動産売却で課税される税金と3,000万円特別控除について
不動産売却で課税される税金と3,000万円特別控除について
「不動産を売却する際の譲渡所得税ってなに?」「税金の控除や特例制度にはどのようなものがあるの?」不動産の売却を検討している人の中で、このように考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では不動産を売却する際に課税される譲渡所得税と、税金の控除などについて紹介しています。
この記事を読めば、不動産を売却する際の譲渡所得税について網羅できますので、是非ご一読ください。

不動産売却時にかかる「譲渡所得税」とは


譲渡所得税とは、不動産を売却して利益が発生した場合、その利益額に対してかかる税金のことです。
譲渡所得税は分離課税方式で算出されます。分離課税方式とは、給与所得や事業所得のような他の所得とは切り離して税額を算出することで、不動産売却における利益単体で税率を計算する方法です。

不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日の間で確定申告を行うことで、納税額が確定します。
譲渡所得税の計算式について詳しく見ていきましょう。

譲渡所得税の計算式

譲渡所得税を計算する際には、まず以下の計算式で課税譲渡所得金額を算出します。

課税譲渡所得金額 = 収入金額 -( 取得費+譲渡費用)- 特別控除額

引用元:国税庁

上記の計算式によって算出された課税譲渡所得金額に対し、不動産の所有期間に応じて以下の税率をかけて譲渡所得税を算出します。

・長期譲渡所得:課税長期譲渡所得金額×15%

・短期譲渡所得:課税短期譲渡所得金額×30%

引用元:国税庁

長期譲渡所得は譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える不動産を譲渡した場合の所得で、短期譲渡所得は譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の不動産を譲渡した場合の所得を指しています。

課税譲渡所得金額がプラスの場合でも、特例や控除を利用することで税金がかからなくなる可能性もあるため、後ほど紹介する特例や控除についても合わせて確認しておきましょう。

取得費の算出方法

取得費は不動産の購入代金や建築費用などを指しており、その他にも以下のような費用が取得費に含まれます。

・土地や建物を購入(贈与、相続または遺贈による取得も含みます。)したときに納めた登録免許税(登記費用も含みます。)、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税

・借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料

・土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用

・土地の取得に際して支払った土地の測量費

・所有権などを確保するために要した訴訟費用

・建物付の土地を購入して、その後おおむね1年以内に建物を取り壊すなど、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用

・土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子

・既に締結されている土地などの購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金

引用元:国税庁

不動産の購入代金は土地と建物に分けて算出するのが一般的で、土地の取得費は購入代金と同額になりますが、建物の取得費は以下のように購入代金から減価償却費を差し引いた金額となります。

建物取得費 = 建物購入価額 - 減価償却費相当額

引用元:国税庁

また、上記計算式で使われている「減価償却費相当額」は以下の計算式によって算出されます。

減価償却費相当額 = 建物の取得価額 × 0. 9× 償却率 × 経過年数

引用元:国税庁

基本的には上記の計算式で算出ができますが、建物の構造によって償却率や耐用年数が異なるため、詳しく知りたい人や不安な人は税理士に相談してみましょう。

また、不動産の購入代金がわかればこれらの計算式で取得費を計算することになりますが、当時の売買契約書などが見つからず購入代金が不明の場合には、売却価格の5%が取得費として計算されます。

しかし、この方法では購入金額よりも取得費が小さくなるケースがほとんどであるため、事前に売買契約書など購入代金が記載されている資料を探しておくと良いでしょう。

不動産売却の税金控除や特例


不動産売却の税金控除や特例について、以下5つを紹介します。

・3,000万円特別控除

・特定の居住用財産の買換え特例

・所有期間が10年を超える場合の軽減税率

・相続不動産の取得費加算特例

・相続した空き家を売却した場合の特例

順番に見ていきましょう。

3,000万円特別控除

まずは居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例です。
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」とは、所有期間にかかわらず譲渡所得から最大3,000万円控除できる制度です。

この制度を受けるための要件は以下のとおりです。

・自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。

・売った年の前年および前々年にこの特例またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

・売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。

・売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

・災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

・売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。

引用元:国税庁

上記の要件に当てはまる場合は、不動産売却により3,000万円の利益が出ていたとしても譲渡所得税がかからないということになるため、該当者は忘れずに申告しましょう。

特定の居住用財産の買換え特例

次に特定の居住用財産の買換え特例です。
「特定の居住用財産の買換え特例」とは、居住用財産を売却して、新たな居住用財産を購入した場合に、売却益に対する課税を将来に繰り延べることができる制度です。

この制度を受けるための要件は以下のとおりです。

・自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

・売った年、その前年および前々年にマイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例またはマイホームを売ったときの軽減税率の特例もしくはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。また、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けないこと。

・売ったマイホームと買い換えたマイホームは、日本国内にあるものであること。

・売却代金が1億円以下であること。

・売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。

・買い換える建物の床面積が50平方メートル以上のものであり、買い換える土地の面積が500平方メートル以下のものであること。

・マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホームを買い換えること。

・買い換えるマイホームが、令和6年1月1日以後に入居した建築後使用されたことのない住宅で、次のいずれにも該当しないものである場合には、一定の省エネ基準を満たすものであること。

・買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または一定の耐震基準を満たすものであること。

・買い換えるマイホームが、耐火建築物以外の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または、取得期限までに一定の耐震基準を満たすものであること。

・親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。

引用元:国税庁

上記の要件に当てはまる場合は、新たに購入したマイホームを売却するまで譲渡益が繰り延べられることになるため、現時点での譲渡所得税の納税が必要なくなります。

所有期間が10年を超える場合の軽減税率

次に所有期間が10年を超える場合の軽減税率です。
「所有期間が10年を超える場合の軽減税率」は、長期譲渡所得の税額を通常よりも低い税率で計算する制度です。

この制度を受けるための要件は以下のとおりです。

・日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。

・売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。

・売った年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていないこと。

・売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例の適用を受けていないこと。

・親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売ったものでないこと。

引用元:国税庁

上記の要件に当てはまれば「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」と併用して制度を利用することができます。
税率については、譲渡所得の金額によって以下の2パターンに分かれます。

・譲渡所得金額が6,000万円以下の場合:譲渡所得金額×10%

・譲渡所得金額が6,000万円超えの場合:(譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円

引用元:国税庁

長期譲渡所得の税率は15%であるため、不動産の所有期間が10年を超えている場合はこの制度を利用して納税金額を抑えましょう。

相続不動産の取得費加算特例

次に、相続不動産の取得費加算特例です。
「相続不動産の取得費加算特例」とは、相続した不動産を相続税の申告期限から3年以内に売却することで、相続税額のうち一定金額を売却時の取得費に加算できる制度です。

冒頭で紹介しましたが、譲渡所得税は課税譲渡所得金額に税率をかけて算出し、この課税譲渡所得金額を算出する際に「取得費」が関係してきます。

課税譲渡所得金額の算出方法は以下のとおりです。

課税譲渡所得金額 = 収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額

引用元:国税庁

つまり、取得費の金額が大きくなると、譲渡所得税が少なくなり節税につながります。 また、取得費加算の特例を受けるためには以下の要件を満たす必要があります。

・相続や遺贈により財産を取得した者であること。

・その財産を取得した人に相続税が課税されていること。

・その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

引用元:国税庁

取得費に加算できる金額は国税庁の計算式をもとに算出されますが、細かい金額を知りたい場合は税理士に相談するのが良いでしょう。

相続した空き家を売却した場合の特例

次に、相続した空き家を売却した場合の特例です。
「相続した空き家を売却した場合の特例」とは、相続した不動産を相続開始から3年が経過する年の12月31日までに売却することで、譲渡所得から最大3,000万円を控除することができる制度です。

被相続人と相続人が同居をしていれば相続人が住み続けるケースも考えられますが、別居していて戸建てを相続した場合には被相続人が住んでいた住宅は空き家になってしまいます。

空き家の老朽化は近隣への被害や街の景観を損ねるなど、多くの悪影響を及ぼしかねません。
そのため、この空き家売却の特例を活用し、早期に相続不動産を売却するのがおすすめです。 空き家売却の特例を受けるためには以下の要件を満たす必要があります。

・昭和56年5月31日以前に建築されたこと。

・区分所有建物登記がされている建物でないこと。

・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。

・相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと。

・譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものであること。

・相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

・売却代金が1億円以下であること。

引用元:国税庁

譲渡所得から最大3,000万円を控除して支払う税金を軽減する制度なので、上記の要件に当てはまる人は必ず申告をしましょう。

売却損が発生したときに使える特例


売却損が発生したときに使える特例は以下の2つです。

・マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

・特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

順番に見ていきましょう。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

まずはマイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例です。
「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」とは、マイホームを売却して新たなマイホームを購入した場合に、売却時の譲渡損失を損益通算及び翌年以後3年以内に繰越控除ができる制度です。

この制度を受けるための要件は以下のとおりです。

・自分が住んでいるマイホームを譲渡すること。なお、以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。

・譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超える資産(旧居宅)で日本国内にあるものの譲渡であること。

・災害によって滅失した家屋で当該家屋を引き続き所有していたとしたら、譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超える家屋の敷地の場合は、その敷地を災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

・譲渡の年の前年の1月1日から売却の年の翌年12月31日までの間に日本国内にある資産(新居宅)で家屋の床面積が50平方メートル以上であるものを取得すること。

・買換資産(新居宅)を取得した年の翌年12月31日までの間に居住の用に供することまたは供する見込みであること。

・買換資産(新居宅)を取得した年の12月31日において買換資産について償還期間10年以上の住宅ローンを有すること。

引用元:国税庁

上記の要件に該当した場合に給与所得や事業所得など、不動産所得以外の所得から控除ができ、控除しきれなかった分は3年間にわたって繰り越すことができます。売却時に譲渡損失が出てしまった人は、この制度を利用して納税額を抑えましょう。

特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

次に特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例です。
「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」とは、住宅ローンが残っているマイホームを残高よりも低い価格で売却して譲渡損失が出た場合に、損益通算及び繰越控除ができる制度です。

この制度を受けるための要件は以下のとおりです。

・自分が住んでいるマイホーム(譲渡資産)を譲渡すること。なお、以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。

・譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えるマイホーム(譲渡資産)で日本国内にあるものの譲渡であること。

・災害によって滅失した家屋で当該家屋を引き続き所有していたとしたら、譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超える家屋の敷地の場合は、その敷地を災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

・譲渡したマイホームの売買契約日の前日において、そのマイホームに係る償還期間10年以上の住宅ローンの残高があること。

・マイホームの譲渡価額が、上記の住宅ローンの残高を下回っていること。

引用元:国税庁

上記の要件に該当した場合にマイホームの買い換えと同様に損益通算と3年間にわたる繰越控除ができるため、住宅ローンが残っているマイホームを売却する際には念頭に置いておきましょう。

まとめ

今回の記事では、不動産を売却した際の譲渡所得税や利用できる特例、控除について紹介しました。
利用できる特例や控除の制度は複数ありますが、それぞれさまざまな要件を満たす必要があります。
譲渡所得税は大きな金額となる可能性があるため、不安な人は税理士に相談して無駄な税金を支払わないようにしましょう。

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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。